基準となるホイール(スポーク)がある場合の使用方法

STEP.1 ホイールの分解

ホイール分解

①はじめに、ホイールを分解する前にリムオフセットを計測しておきます。
・計測した数値はホイールを組む際に必要となります。

②つぎに、スポークとニップルのネジの入り具合をチェックしておきます。
・スポークが長い方に余裕があるのか、それとも短い方に余裕があるのかを把握しておく
・チェックした状態は、ブランクスポーク長を選定する際に必要となります。

③種類ごとにホイールからスポークを抜き取ります。
・1ホイールに対して1~4種類のスポークを使っていますので、あらかじめ確認しておきます。

STEP.2 取り外したスポークの計測

スポーク測定

①再現するスポークの直線距離とスポークの太さを測定します。

弊社でスポーク測定用シート(PDFファイル)をご用意しました。PDF ICON
ダウンロードをして、実寸(A4サイズ)にて印刷して頂き、スポーク測定/確認にご利用ください。

スポーク長の測定方法には主に2通りの方法があります。
以下の内容を参考に測定しやすい方法を選択してください。

測定方法 その1

測定図1

上図の1、2、3を計測し、足した距離が直線距離(ストレート長)となります。
1 → ネジから曲がり始めの直線部分
2 → 円弧の長さ、線径の中心線
3 → 傘の付け根から曲がり始めの直線部分

バテッドスポークの場合は太い方と細い方のどちらかを選びます。もしくは中間でも構いません。

測定方法 その2

測定図1

三角関数を使用した計測方法です。
円弧の長さを計測するのは大雑把で難しいという方はこちらの方法をおすすめします。

上図に記したA、B、Cと線径(スポークの直径)を測定します。
A → ネジ端面から傘の付け根までの距離
B → 首の角度
C → 傘の付け根から曲がり仮想交点(円弧の頂点)の距離

測定値を下記の計算式に当てはめてストレート長を算出する。
計算された数値はあくまでも参考値となります。

数値 A 

数値 B 

数値 C 

線径 : Φ2.9  Φ3.2  Φ3.5  Φ4.0


↓ 計算結果 ↓

ブランクスポーク長 : mm

最初からやり直し

STEP.3 測定した数値をもとにブランクスポーク/ニップルを選定

スポーク長

DACHI ブランクスポークは2mm刻みのラインナップです。
ブランクスポーク ラインナップ表から必要なサイズを確認してください。必要なサイズが中間値だった場合は、長/短どちらかを選ぶ必要があります。
その際は『 STEP.1 ホイールの分解 』で確認した状態を参考に、オリジナルのスポークがリムに対してどのくらい入っているか、ニップルに対してどの位置に在るのかを考慮して判断します。
また、DACHIでは ニップルワッシャー をラインナップしています。

ニップルも同様に胴体径・ネジ寸法を確認して、SUSニップル ラインナップ表から必要なサイズを確認してください。

STEP.4 スポークベンダーを使ってブランクスポークを曲げる

各所の調整

①まず基準となるスポークをベンダーにセットし、長さと角度の位置を決めます。
・スポークベンダー取扱説明書をよく読んで、長さ/角度アジャスターを調整します。

メモリ調整

②ブランクスポークをセットして、一本目は試し曲げをしてみます。

長さ調整

③曲げた時の伸びやスプリングバックで予定の形状にはならない場合は、曲げ加工したスポークを参考にさらに調整していきます。あとどれだけ長さがズレているか、角度が足りないかをメモリを使って微調整します。

量産

④スポークベンダーのセッティングが決まったら、必要本数を曲げていきます。